
メロディーにコードを付けるときは、長く伸ばす音や拍の頭などの目立つ音を手がかりに候補を選び、実際に鳴らして比べると進めやすくなります。
「鼻歌はできたけど、伴奏をどう付ければいいかわからない」という方へ、Cメジャーの短いメロディーでコードを付ける4ステップを解説しますね。比較音源では、前半がC、後半がAmです。ステップ3で響きの違いを確かめられます。
コードを付ける前に:キーとコードを変える区切りを仮に決める
メロディーを短いフレーズに区切り、コードを変える場所を決めます。迷ったら、まずは1小節ごとを仮の目安にしてOK。1音ごとにコードを変える必要はありません。
キーは、使っている音、フレーズの終わり方、落ち着いて聴こえる音などが手がかりになります。最初の音だけでキーが決まるわけではありません。ここではCメジャーと決め、その音階からできるコードを候補にします。
Cメジャーの基本となる三和音はC・Dm・Em・F・G・Am・Bdimです。構成音がわからない場合は、コードの基礎を見ながら進めてくださいね。
メロディーにコードを付ける4ステップ
「目立つ音から候補を選ぶ → フレーズ全体との相性を確認する → 響きを聴き比べる → 前後のつながりを整える」の順に進めます。付け方は一つではありません。候補を絞るための手順として試してみましょう。
ステップ1:目立つ音を含むコードを候補にする
コードトーンとは、コードを構成する音のことです。長く伸ばす音や拍の頭の音など、目立つ音を含むコードから試します。以下の作例では、最初の音Cを手がかりにします。最初の音を必ずコードトーンにする決まりではありません。
たとえば、キー=Cメジャーで、↓のようなメロディーだったとします。

(クリックで拡大)
最初の音がCから始まっています。
Cメジャーのダイアトニックコードを三和音に限ると、Cを含むのは次の3つです。7thコードなどに広げると候補は増えますが、まずはこの3つで比べます。
- C:C・E・G(ド・ミ・ソ)
- F:F・A・C(ファ・ラ・ド)
- Am:A・C・E(ラ・ド・ミ)
どれもCを含むため、最初の音だけでは一つに決まりません。残りのメロディーとの相性も確認します。
ステップ2:フレーズ全体の音とコードの相性を確認する
候補のコードを鳴らす区間全体で、メロディーの音を確認します。コードに含まれない音がノンコードトーンです。
「何割がコードトーンか」だけで判断せず、どの音を長く伸ばすか、どの拍で鳴るか、次にどの音へ進むかを見ます。短く通り過ぎる音と長く伸ばす音では、響きへの影響が違います。
先ほどのメロディーとコードC・F・Amの関係を見てみます。
赤=コードトーン、黄色=ノンコードトーンです。
この図のメロディーはC・E・E・D・Cです。CとAmはどちらもC・Eを含み、Dがノンコードトーンになります。FはCを含みますが、EとDは含みません。
まず素直にまとまる響きを探すなら、ここではC・Amから試しましょう。Fが不正解という意味ではありません。含まれない音の響きを、曲の表情として活かす選択もできます。
コードトーンとノンコードトーンの割合については、↓の記事でくわしく解説しています。
ステップ3:CとAmの響きを音源で聴き比べる
同じメロディーでも、伴奏のコードが変わると印象が変わります。メジャーは明るく、マイナーは暗く感じられることが多いですが、曲全体の印象はテンポ・音色・前後のコードなどでも変わります。
下の比較音源は、前半がC(ド・ミ・ソ)、後半がAm(ラ・ド・ミ)です。どちらが正しいかではなく、どちらの響きが作りたい雰囲気に近いか聴いてみてください。
ステップ4:前後のつながりとコードの機能を確認する
一つの区間にコードを付けたら、同じ手順を次の区間でも試します。最後にフレーズ全体を再生して、コードの切り替わりや終わり方を確認しましょう。
たとえばCメジャーで終わる感じを出したいときは、最後のメロディーとの相性を見ながらGやG7からCへ進む形も試せます。コードの機能は、落ち着く・先へ進みたくなるといった流れを整理する手がかりです。
ひと通りコードを付けたあと、「んん~……なんかしっくり来ないな」と思ったら、
- 同じ機能を持つコードと入れ替えてみる(例:同じトニックであるIとVImを入れ替えてみる)
- 違う機能を持つコードと入れ替えてみる(例:トニックのIとドミナントのV7を入れ替えてみる)
CメジャーでEm(IIIm)に終わると、Cで終わる場合とは違う余韻になります。はっきり終わりたいのに落ち着かない場合は、メロディーに合う別のコードも試しましょう。IIImで終わること自体が誤りではありません。
コードの機能については、以前の↓の記事で解説しています。

補足1:テンションコードやsus4など
テンションコードやsus4などのコードも、最初のうちはあまり気にしなくてOKです。
まずは三和音で進め、響きを広げたくなったら7thコードも試しましょう。たとえばCメジャーなら、Dm7→G7→Cというツーファイブを含む進行があります。すべての曲で7thコードを使う必要はありません。
慣れて来たらadd9やsus4なども取り入れて、複雑な響きやコード進行を楽しみましょう。
補足2:ノンダイアトニックコード
メロディーにスケール外の音が含まれている場合は、借用和音・一時転調・セカンダリードミナント等を検討することもできます。
↓の記事でくわしく解説しています。


補足3:どうしてもしっくり来ない場合は?
コードを変える位置、伴奏の音域、メロディーと伴奏の音量を変えてみましょう。同じコードでも、メロディーを邪魔しなくなる場合があります。
それでも合わなければ、候補のコードを変えるか、使いたいコードを決めてメロディーを少し直す方法もあります。メロディーを残すことを優先するなら、無理に変更する必要はありません。
次の記事では、打ち込みの際に重要な「ベロシティ」について解説しますね。
この記事のまとめ
先に作ったメロディーにコードを付ける際は、下記のことを意識しながら試行錯誤しましょう。
- 長い音や拍の頭など、目立つ音を含むコードから試す
- コードトーンとノンコードトーンの位置・長さ・前後の流れ
- メジャーコードかマイナーコードか
- コードの機能
- (テンションコードやsus4などは、慣れてからでOK)
- (7thコードやツーファイブも必要に応じて試す)
- (メロディーにスケール外の音があるときは、ノンダイアトニックコードも検討できる)
- (どうしてもしっくり来るコードがない場合は、メロディーを変更する)
次の記事では、打ち込みの際に重要な「ベロシティ」について解説しますね。



